マルチフィジックス流体シミュレーション・システム

ラージ・エディ・シミュレーション(LES)をベースに構造、音、混相流、反応との連成解析を実現するマルチフィジックス流体解析

サブテーマリーダー:加藤 千幸
東京大学生産技術研究所 教授

サブテーマリーダ: 加藤 千幸

流れの数値シミュレーションに対して現象論的な意味(連続体の仮定)での基礎理論はほぼ確立しているといえるが、それらは一般に大規模な複雑系であり、実現象に対して有用な予測を与えることは必ずしも容易ではない。特に、乱流変動、燃焼反応、構造物や粒子との連成などを伴うマルチフィジックス流れの解析においては経験的で簡略化された方法に頼っているのが現状である。
戦略的基盤ソフトウェアの開発プロジェクトで開発した汎用流体解析コードFront Flowをベースに、構造、音、混相流、反応との連成解析を実現するマルチフィジックス流体システムを開発する。Front Flowは非定常な乱流現象を精度よく扱う手法であるラージ・エディ・シミュレーション(LES)をベースに開発され、これまで空力騒音予測、ターボ機械内部流れ、燃焼器内部の火炎挙動予測等の分野で実績があるコードである。LES解析技術に加え、連成解析技術をとりこんだマルチフィジックス流体システムを開発することにより、より現実的な問題への適用が可能となる。

(1)大規模LESによる乱流音解析

ファン、風車等の流体機械から発生する流体騒音の定量解析

(2) キャビテーション流れ解析

ロケットエンジンインデューサ内部のキャビテーション性能の定量評価

(3) 燃焼・反応流れシミュレーションシステムに関する研究

ガスタービン燃焼流れ、エンジン燃焼流れに関する解析技術の実用化

(4) 気体-液体-固体連成流れシミュレーションシステムに関する研究

CVD反応流れ、エンジン内の燃料スプレー流れ、サーマルストライピングに関する解析技術の実用化

画面サンプル

ドアミラー周り流れの渦度分布


画面サンプル

遠心ポンプ表面の圧力変動成分


画面サンプル

燃焼器内の火炎挙動予測


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