全体系最適化シミュレーション・プラットフォーム

直感的なGUIによるマルチスケール・マルチフィジックス・シミュレーションの実現と、解析手順や結果データなどの管理・再利用ができるシミュレーションプラットフォーム

サブテーマリーダー: 小池秀耀
東京大学生産技術研究所 顧問研究員
アドバンスソフト株式会社 代表取締役社長

サブテーマリーダ: 小池秀耀

「戦略的基盤ソフトウェアの開発プロジェクト」の成果物「PSE Workbench」を活用し、マルチスケール・マルチフィジックス・シミュレーションにおいて、ユーザの思考の流れを妨げないような直感的なGUIを伴った、実用的な全体系最適化シミュレーションを実現できる統合プラットフォームを開発する。

開発の概要として、昨年度までに開発されたPSE Workbench 3.0をベースとして、マルチユーザ・マルチクライアントを実現するために、サーバ・クライアント型への機能の拡充を行う。このサーバはバッチサーバと呼ばれるタイプのもので、複数のクライアントからの命令・コマンドを一括して受け付け、それを順番に実行していくものである。この拡充により、解析手順のナレッジやノウハウを共有することが安全かつスムーズに実現できる。本テーマでの開発の要点は下記の4点である。

(1)
実用的なマルチスケール・マルチフィジックス・シミュレーションの実現のため、様々な物理現象を計算するソフトウェアを実装すること
(2)
それぞれのソフトウェアの入出力の取り扱いや実行などの操作を直感的な統合GUIにより提供すること
(3)
シミュレーション・ソフトウェア間におけるデータのインコンパチビリティを解決し、スムーズなデータ変換に対応すること
(4)
作業方法や計算結果のデータをログや履歴として保存しておき、データの再利用など、限られたリソースの中でより効率の良い解析が実現でき、かつ解析手順に関する知識、情報としての共有化を実現する機能を開発すること。概要図として図1に示す。

本テーマの成果により、様々なソフトウェアやデータベースを組み合わせたマルチスケール・マルチフィジクス・シミュレーションに対し、直感的なGUIを通して、ユーザの思考の流れをそのまま表現するような解析作業を実現することができる。 また、最適化や感度解析、パラメータ・サーベイ機能を伴った、更なる実用化を目指すことで、デジタルモックアップ実現のための足掛かりとなる。

プラットフォームの概要図

プラットホームの概要図
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