ナノ・物質・材料・マルチスケール機能シミュレーション・システム

革新的ナノデバイス開発に資する先進的第一原理構造・物性解析システムの構築

代表者:大野隆央
所属:独立行政法人物質・材料研究機構 計算科学センター
  センター長

サブテーマリーダ: 大野隆央

ナノテクノロジーにより実現されるナノデバイス・材料は、次世代の高度情報処理通信、低環境負荷社会インフラ等21世紀社会の重要課題を解決するキーテクノロジーであり、その実現には、原子レベルでのナノ構造の物性・機能解析、構造と物性・機能相関の解明が不可欠である。このようなナノ構造=物性・機能設計には、従来の実験中心の研究方法に換わり、量子力学原理に基づくナノ物質及びナノ複合体の大規模・マルチ物性・機能解析シミュレーションが強く求められる。
本サブテーマでは、革新的な機能を有するナノデバイス・材料の創成に資するために、ナノ物質・材料に関する多様な機能解析を高精度・大規模に行う先進的第一原理構造・物性解析システムを開発する。

(1)多機能解析

第一原理的な電子状態解析手法を基本とし、ナノ構造の創成機構と原子構造の解析、誘電応答、光学物性、磁気特性、電子・スピン伝導特性等の多様な物性・機能の解析手法を開発する。

(2)マルチスケール解析

ナノ物質、ナノ複合材料等の多数原子群が示す構造と物性・機能を解析するために、ハイブリッド手法、有効原子間ポテンシャル法等のマルチスケール解析手法を開発する。

(3) 物性予測・機能設計を支援する統合環境

要素技術を融合させることにより、ナノテクノロジー開発において必須となる材料探索、ナノスケールで発現する物性予測・機能設計を支援する統合環境を開発する。

画面サンプル

図1:ナノ複合体の大規模な量子論的解析。交差したカーボン・ナノチューブの滑りダイナミクスを解析し、MEMS応用などの機械的特性を予測する。


画面サンプル

図2:次世代シリコンデバイスの高誘電率絶縁膜の候補である非晶質ハフニウムアルミネートの原子構造。この原子構造に対して電子系・格子系の誘電応答を第一原理的に解析する。


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