過去3年間に渡って推進して来ました「戦略的基盤ソフトウェアの開発」プロジェクトは、科学技術の基盤となる世界最先端のシミュレーションソフトウェア群を開発して順次世の中に公開してきましたが、すでに実社会の具体的な問題に対して、従来のソフトウェアでは不可能だった規模・精度の解析を可能にするなど、当初予想を上回るペースでその効果が上がりつつあります。このような経緯の中で、2005年度から開始される「戦略的革新シミュレーションソフトウェアの研究開発」プロジェクトは、上記の「戦略的基盤ソフトウェアの開発プロジェクト」の成果をさらに発展させるとともに新しいテーマを追加し、21世紀の科学技術の飛躍的な進展の鍵となる、革新的シミュレーションソフトウェアの実現をめざして、以下の4グループの体制のもとで研究開発を行います。
- (1)
- 人の個体差に応じた創薬の開発などに資する生命現象シミュレーション
- (2)
- 産業界における研究開発~設計~製造~保守における知的ものづくりプロセスの質および効率の向上の実現に資するマルチスケール連成シミュレーション
- (3)
- 安全・安心な社会の実現に資する都市の安全・環境シミュレーション
- (4)
- 共通基盤ソフトウェア(地球シミュレータ用を中心とする超高速演算ライブラリおよび最適化プラットフォーム)
以上のような広範な分野における世界最高水準のマルチスケール、マルチフィジックス・シミュレーションソフトウェアの研究開発を行います。これらのグループは、さらに10のサブテーマに分割してお互いに連携しながら取り組みます。


