創薬における医薬品の分子設計においては,医薬品の標的となるタンパク質に、より選択的に、より強く結合する化合物をデザインするかが重要な鍵となります。これまでドラッグデザインには,主に古典力場や経験的なスコア関数を用いたドッキングシミュレーションが用いられてきましたが、近年、フラグメント分子軌道(fragment molecularorbital; FMO) 法を用いた、タンパク質の量子化学計算に基づいたドラッグデザインへの期待が高まっています。当グループでは、「革新的シミュレーションソフトウェアの研究開発」および「フラグメント分子軌道法による生体分子計算システムの開発」プロジェクト等で開発されたABINIT-MP/BioStation システムをベースに、FMO 法に基づいた創薬におけるプロセスイノベーションに貢献するバイオ分子相互作用シミュレーターの研究開発を行います。