大規模アセンブリ構造対応熱流体解析ソルバーの研究開発

本サブテーマでは、ものづくり関連の基幹産業（例えば、重工業、車両、電機、航空、精密機器等）におけるイノベーション創出に資するため、次世代の熱流体解析システムを開発します。この開発では、「革新的シミュレーションソフトウエアの研究開発」プロジェクトにおいて開発されたFrontFlow/blueをベースに、1 Tera Flops (Tera Floating Point Operations per Second)級のPCクラスターから10 Peta Flops超える次世代のスパコンまでさまざまなキテクチャの計算機において高速に動作し、かつ、本プロジェクトの他のグループが開発するソルバーとの連成解析機能をサポートする熱流体解析システムを開発します。

次世代スパコン「京」を用いた解析では、1,000億点格子点規模の解析を実現する予定です。これにより、さまざまな製品で起こる非定常な流れ現象（例えば、空力騒音、機械内部の圧力変動、乱流熱輸送等）の予測精度が飛躍的に向上します。また、これまでのFrontFlow/blueは、主に製品の一部分を解析対象にしていましたが、本開発において、1,000億格子点規模の解析が実現されれば、アセンブリ大規模構造の解析（製品まるごとシミュレーション）が可能となります。すなわち、(1)予測精度の飛躍的向上、および、(2)製品まるごとシミュレーションの実現により製品開発期間の短縮や開発コストの削減、さらに、性能の飛躍的な向上や新製品の開発に貢献したいと考えております。

また、プリ・ポスト処理を含めた流体解析にかかわるユーザ負担を極力低減するユーザインターフェース機能を抜本的に強化することにより、現場の設計者が手軽に使える流体解析システムの開発を進めています。

最後に、本開発の成功のために、多くのユーザの皆様方からのご意見、ご協力を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。

熱流体・音響解析システム FrontFlow/blue(FFB)
FFB ver.8.1
FFB-ACOUSTICS ver.2.3