これまでは、密度汎関数法に基づく世界最大のタンパク質カノニカル分子軌道計算ができるProteinDFシステムを開発し、数100残基規模のタンパク質全電子の分子軌道やエネルギー、原子電荷などが計算できる革新的なシステムを公開してきました。本プロジェクトでは、これをベースに、産学のイノベーション創出の基盤に資するシステムへと進化を遂げるべく、先端応用分野を視野に入れた研究開発を行います。
これまでは、密度汎関数法に基づく世界最大のタンパク質カノニカル分子軌道計算ができるProteinDFシステムを開発し、数100残基規模のタンパク質全電子の分子軌道やエネルギー、原子電荷などが計算できる革新的なシステムを公開してきました。本プロジェクトでは、これをベースに、産学のイノベーション創出の基盤に資するシステムへと進化を遂げるべく、先端応用分野を視野に入れた研究開発を行います。
具体的には、a) 実験とのより直截的な比較や解析が行えるよう、分光学的物性をはじめとする種々の重要な物性計算機能を開発します。これにより、実験と理論が密接不可分となる環境の整備を加速します。また、b) バイオ・ナノ融合新素材ものづくりに貢献すべく、巨大カノニカル分子軌道法ならではのタンパク質と機能性ナノ分子の統合シミュレーション機能を開発します。さらに、c) これまでの金属タンパク質全電子計算の経験を発展させて、薬物代謝の主役P450 水酸化酵素の解析方法を開発します。従来の経験的な方法とは異なる、第一原理に基づく基盤を提供することが目的です。最後に、d) これらの系で得られた結果を広く活用・再利用していただくために、膨大なタンパク質波動関数のデータベースを配信する方法を研究開発します。本研究開発は、本格的なバーチャル分子生物学実験室構築への大きなステップとなるでしょう。