• 量子機能解析ソルバー・ナノデバイスシミュレーターの研究開発 研究内容

    PHASEの詳細情報

    PHASEは、物質中の電子の状態を、密度汎関数理論に基づいて計算します。

    PHASE で何が計算できるか?

    • 全エネルギー
    • 電荷密度の分布
    • 電子の状態密度
    • バンド構造
    • 安定な原子構造

    PHASE の特徴

    • Local Density Approximation (LDA) やGeneralized Gradient
      Approximation (GGA) を使って、密度汎関数法に基づいた電子状態の計算が可能です。この方法を使った計算結果がさまざまな学術雑誌に掲載されており、非常に信頼性の高い計算法であると言えます。
    • イオンコアの影響を擬ポテンシャルによって取り込み、価電子の波動関数を平面波により展開します。使用する擬ポテンシャルとしては、 Troullier-Martins 型のソフト擬ポテンシャルと、Vanderbilt 型のウルトラソフト擬ポテンシャルがあります。これらのソフト擬ポテンシャルを用いることで、計算に必要な平面波の数を減らすことができ、大規模計算が可能になります。
    • 波動関数の最適化には、残差最小化(RMM)法、Steepest Descent (SD)法、Modified SD法、一次元探索法などが選択できます。また、電荷密度の混合には、単純混合法、Broyden法などが使用できます。
    • 幾何学的構造の最適化法としては、Quench法と GDIIS法が使えます。
    • 入力ファイルがタグ形式で構成されています。これにより、初めて使用するユーザーでも、入力パラメータの物理的意味が理解し易いようになっています。
    • バンド構造や状態密度(DOS)を描画する Perl スクリプトが付属しています。「戦略的基盤ソフトウエアの開発」プロジェクトで開発された Biostation viewer を用いれば、電荷密度の3次元表示が可能です。
    • PHASEはmpiを使用して並列化されています。

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    UVSORの詳細情報

    UVSOR は、擬ポテンシャル法に基づいて電子系及び格子系の誘電率が計算できます。


    UVSOR で何が計算できるか?

    • 誘電関数(静電場~真空紫外波長域)
    • 電子系誘電率
    • 格子系誘電率
    • 反射率、屈折率、可視吸収スペクトル
    • ボルン有効電荷
    • 赤外吸収スペクトル
    • ドルーデ項
    • 有効質量(電子及び正孔)
    • 非線形光学感受率(2次及び3次)
    • 圧電定数

    UVSOR の特徴

    • PHASE と入力ファイルを共用しています。
    • PHASE の計算結果に基づいて誘電関数を計算します。
    • ノルム保存型及びウルトラソフト型擬ポテンシャルの使用が可能です。
    • 全電子計算と同じ電子系誘電率が計算できます。
    • 電子のベリー位相より原子のボルン有効電荷を計算します。
    • UVSOR は MPI を使用して並列化されています。

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    PHASE-Viewerの詳細情報

    PHASE-Viewer は、ナノシミュレーションソフトウェアの操作を支援する統合環境ソフトウェアです。現在、汎用第一原理ソフトウェアである PHASE およびその関連ソフトウェアの諸操作をサポートしています。


    PHASE-Viewer で何ができるか?

    本ソフトウェアを利用することにより、おもに下記の操作を行うことが可能です。

    • PHASE の入力ファイルの、GUI を介した編集
    • ワンクリックによる PHASE の実行制御
    • PHASE 付属の perl スクリプトとの連携
    • PHASE による計算結果の解析/可視化
    • 画像ファイルの作成/表示
    • グラフ作成
    • 原子配置の取り込み/書き出し、三次元表示、編集

    PHASE-Viewerの特徴

    • Java と Java3D で開発されており、広い範囲のプラットフォームで動作します。

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    ABCAPの詳細情報

    ABCAP (All-electron Band-structure CAlculation Package) は、密度汎関数理論に基づいた、FLAPW (Full-potential inearized Augmented Plane Wave)法による第一原理全電子電子状態計算プログラムです。


    FLAPW 法は、ポテンシャルの形状の近似を行わず結晶中の全電子を扱う、最も信頼性の高い電子状態計算方法の一つとして知られています。特に、一般的に擬ポテンシャル法が不得手とされるd電子やf電子を含む系に対しても詳細な電子状態計算が行うことが可能です。また、磁性体に対する電子状態計算にも効果的です。

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    FXZTXの詳細情報

    FXZTX は、タイトバインディングモデルに基づいて炭素系、シリコン系の電子状態を計算します。


    FXZTX で何が計算できるか?

    • 全エネルギー
    • 各原子に働く力
    • 構造最適化
    • 絶対零度、有限温度の分子動力学

    FXZTXの特徴

    • タイトバインディングハミルトニアンを厳密対角化、又はランチョス法によるオーダー N 法で対角化し、全エネルギー、各原子に働く力を計算できます。
    • 構造最適化、又は有限温度の分子動力学を行うことができます。
    • FXZTX は MPI を使用して並列化されています。

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    ASCOTの詳細情報

    ASCOTは密度汎関数理論に基づいた非平衡グリーン関数法を用い、 伝導特性を解析するためのプログラムです。

    またタイトバインディング法およびグリーン関数法を用い、 炭素系の伝導特性を求めることもできます。


    ASCOT では以下の量を求めることができます。

    • トランスミッション
    • 有限バイアス下における電子状態
    • 電流-電圧曲線
    • 状態密度

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    CAMUS-FSISの詳細情報

    CAMUS-FSIS は、大規模 Si 系を第一原理(FP)、強結合(TB)、古典(MM)計算領域に分割するハイブリッド計算が可能です。


    CAMUS-FSIS で何が計算できるか?

    • 多領域ハイブリッド計算(Si系)
    • 非ハイブリッド計算
    • 領域エネルギー、原子に働く力など
    • 構造最適化
    • 絶対零度、有限温度の分子動力学


    CAMUS-FSISの特徴

    • リンク原子(分子)法に基づくハイブリッド計算により、大規模 Si 系を高精度に効率良くシミュレーションできます。
    • 領域計算方法として、FP, TB, MM 計算が選択可能です。
    • 各種領域計算の組合わせによる 3 領域以上のハイブリッド計算にも対応しています。
    • 構造最適化、絶対零度や有限温度の分子動力学を行うことができます。
    • サブルーチン化され組込まれた PHASE により FP 計算を行ないます。
    • CAMUS-FSIS は MPI を使用して並列化されています。

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    CIAOの詳細情報

    CIAO(Code for Investigating Atomic Orbitals) は、密度汎関数理論のもとで、原子の全電子状態を第一原理計算します。その結果得られた全電子ポテンシャルから擬ポテンシャルを計算します。ここで作成された擬ポテンシャルは、第一原理擬ポテンシャルバンド計算プログラム(PHASE)や量子伝導計算プログラムなどの入力として用いることができます。

    CIAO の電子状態計算の枠組みは、PHASE に代表される第一原理バンド計算と基本的に同じです。CIAO は対象を原子に限定することにより、ポテンシャルが球対称であることを利用して計算量を大幅に軽減しています。これにより高速計算を可能にしています。また、CIAO では PHASE では扱えないような計算を精度良く行うことができます。例えば、スピン軌道相互作用を含めた計算、相対論的なスピン電子状態の計算、軌道間クーロンエネルギーの計算などが挙げられます。

    CIAO の全体的な特徴は以下の通りです。

    1. Fortran 90で記述
    2. 外部ライブラリを必要としない
    3. キーワード形式で入力
    4. 原子の全電子状態計算
    5. 擬ポテンシャルの計算

    このうち「原子の全電子状態計算」の特徴は以下のようになります。

    1. 密度汎関数理論
    2. 交換相関汎関数
      • LDA(PZ81、PW91)
      • GGA(PBE96、revPBE)
    3. 相対論、スカラー相対論、非相対論
    4. スピン分極
    5. 擬原子
    6. 解析機能
      • 軌道間クーロンエネルギー
      • 波動関数極大の動径座標

    擬ポテンシャル計算は CIAO の主機能です。擬ポテンシャルは、原子の全電子ポテンシャルから構成されます。「擬ポテンシャルの計算」の特徴は以下のようになります。

    1. コアポテンシャル
      • Troullier-Martins ノルム保存+ Hamann's GNCPP法
      • Vanderbilt ウルトラソフト PP 法
    2. 局所ポテンシャル:軌道、BHS 型、多項式
    3. 擬波動関数:TM 型、多項式
    4. コア補正(PCC):球 Bessel、多項式
    5. 入力形式:Semicore に対応
    6. 出力形式:GNCPP1、GNCPP2、CIAOPP
    7. 解析機能
      • 対数微分
      • Fourier 変換
      • ノルム保存のゴースト状態
      • ウルトラソフトのスピン状態
      • 遷移モーメント

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    MonCaFeの詳細情報

    MonCaFeは、固体結晶のヘテロエピタキシャル成長過程の計算機シミュレーションをおこなうことを目的に開発されたソフトウエアです。


    MonCaFeで何が計算できるか?

    ヘテロエピタキシャル成長の初期における、

    • 基板上の原子の密度分布とその時間変化
    • 基板原子と供給原子との混合過程
    • 格子不整合に起因する基板上の原子構造の時間変化

    MonCaFeの特徴

    • 運動学的モンテカルロ法、メトロポリス法、分子動力学法、および有限要素法の4つの計算方法を組み合わせた、ハイブリッドのマルチスケール計算法を採用しています。
    • 原子間ポテンシャルを用いて、原子間相互作用の計算を行なっています。
    • 格子間隔の数パーセントの刻み目の副格子を導入しているので、原子構造の緩和過程が扱えます。
    • 格子不整合に起因する基板の歪みを速やかに遠方まで伝達するために、最下部に有限要素法を導入しています。

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    MEAMDBの詳細情報

    MEAMDBは修正埋め込み原子法(MEAM)という原子間ポテンシャルのパラメータのデータベースです。

    MEAMDBの特徴

    • BCC単体金属10種類
    • FCC単体金属10種類
    • HCP単体金属19種類
    • 合金9種類
    • 酸化物3種類

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