乱流に代表されるように「流れ」は非線形、非定常なマルチスケール現象であるため、それらの複雑な現象全てを一括して取り扱うことは、予測精度や計算負荷の観点から必ずしも合理的とはいえない。
そこで、従来は時間平均解析が主であった工学乱流場の予測に対して、乱流をスケール分離して取り扱う解析法として有望視されているラージ・エディ・シミュレーション(LES)を基礎とした非定常解析法の実用化を図る。
1億格子点相当の非定常流れ数値計算を実現することで、機器開発においてCADデータと同程度の解像精度をもった流れ場の予測と先行設計が可能となる。
また、流れの非定常性の適切なモデル化によって、従来は予測設計の困難であった複雑系の問題、特に、動力・エネルギー機器の設計において多くの応用ニーズがある燃焼流・混相流、および、車両・ターボ機械・建築構造などに重要な流体音や流れと構造干渉などの数値予測法を実用化する。
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