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第2回東京ハンズオン：ABINIT-MP講習会
1.開催趣旨
フラグメント分子軌道(FMO)法は、並列処理を駆使して巨大な分子系を量子化学的に直截に扱える手法の１つです。ABINIT-MPは、東京大学生産技術研究所を拠点に 10年以上の歳月を経て開発が進められてきた純国産のFMOプログラムで、小規模なサーバから「京」に代表されるスパコンまで対応しています。また、使い勝手に優れた専用GUIであるBioStation Viewerも整備され、入力データの作成と計算結果の可視的な解釈までサポートされています。特に、創薬化学におけるリガンドとタンパク質との相互作用解析は得意とするところで、現在では大学や研究機関だけでなく製薬会社でも研究開発の現場で使われています。
一方、ここ数年、ABINIT-MPを固体表面とタンパク質の接着状態の検討、あるいは高分子の粗視化シミュレーションの有効パラメータの算定に用いる事例も出てきています。これは、FMO計算の「ものづくり分野」への展開と位置づけることができます。
このハンズオンセミナーでは「京」と互換性を持つ高度情報科学技術研究機構所有の利用支援用コンピュータシステム（PRIMEHPC FX10）を用いて、ABINIT-MP/BioStation ViewerによるFMO計算を経験していただくことを意図しています。例題では、タンパク質系だけでなく、「ものづくり」系のものも取り挙げます。さらに、パラメータサーベイなどに有用な複数ジョブの自動実行を可能とするHPC/PFとの連携も体感いただきます。皆様のご参加をお待ちしております。
2.開催概要
| 日 時 | 2015年12月4日(金) 10:15～17:00 |
|---|---|
| 会 場 | 東京大学生産技術研究所 As棟 中セミナー室５(As313,314) |
| 主 催 | 東京大学生産技術研究所 革新的シミュレーション研究センター |
| 共 催 | 一般財団法人高度情報科学技術研究機構 |
| 後 援 | 公益財団法人計算科学振興財団 |
| 定 員 | 定員に達しました。 |
| 参加費 | 無料 |
3.参加申込方法：受付は終了しました。
参加申込書をダウンロードし、必要事項をご記入いただき電子メールにてお送りください。
| ・ | HPCI登録機関所有のFX10は、日本国の法令「外国為替及び外国貿易法（外為法）」等により、輸出や技術の提供が規制されています。 |
| ・ | 高度情報科学技術研究機構所有の利用支援用コンピュータシステム （PRIMEHPC FX10）を利用しようとする際には居住性判定が必要となります。居住性判定フローチャートをお読みいただき、居住者・非居住者の申請をお願いいたします。 |
4.参加申込と技術内容についての問い合わせ先
E-mail：hpci4-fmo@ciss.iis.u-tokyo.ac.jp
5.プログラム
| 10:15－10:30 | 挨拶 | 望月 祐志 立教大学理学部 |
|---|---|---|
| 10:30－11:00 | FMO計算の概要、ABINIT-MPの状況 | 望月 祐志 立教大学理学部 |
| 11:00－12:00 | 実習セミナー基礎編１ ・相互作用エネルギー解析の簡単な例 ・BioStation Viewerによる可視化 |
福澤 薫 日本大学松戸歯学部 望月 祐志 立教大学理学部 |
| 12:00－13:00 | 昼食休憩（60分） | |
| 13:00－13:50 | 実習セミナー基礎編２ ・入力データの作成 ・BioStation Viewerを使ったワークフロー |
福澤 薫 日本大学松戸歯学部 望月 祐志 立教大学理学部 |
| 13:50－14:10 | ABINIT-MPのものづくり分野での利用 | 望月 祐志 立教大学理学部 |
| 14:10－15:00 | 実習セミナー応用編１ ・ポリマー、固体系の扱い |
望月 祐志 立教大学理学部 |
| 15:00－15:20 | 休憩（20分） | |
| 15:20－15:50 | HPC/PFシステムの概要 | 川鍋 友宏 東京大学生産技術研究所 |
| 15:50－16:40 | 実習セミナー応用編２ ・HPC/PF環境の設定 ・複数ジョブの自動実行と結果回収 |
川鍋 友宏 東京大学生産技術研究所 十川 直幸 ㈱ヴァイナス プロジェクト推進部 望月 祐志 立教大学理学部 |
| 16:40－17:00 | ABINIT-MPの今後の研究開発予定 | 望月 祐志 立教大学理学部 |
【FMO法に関する情報】
「プログラムで実践する 生体分子量子化学計算 - ProteinDF/ABINIT-MPの基礎と応用」（森北出版）のABINIT-MP該当部分はご参考いただけると思います。また、日本化学会の情報部会誌にFMO法に関する和文論文が収録されていますので適宜ご参照ください。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/cicsj/31/3/_contents/-char/ja/
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/cicsj/31/4/_contents/-char/ja/
なお、ABINIT-MPに関する英語の総説論文として、下記をご参照ください。
“Electron-correlated fragment-molecular-orbital calculations for biomolecular and nano systems”, S. Tanaka, Y. Mochizuki, Y. Komeiji, Y. Okiyama, K. Fukuzawa, Phys. Chem. Chem. Phys. 16 (2014) 10310-10344.
http://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2014/cp/c4cp00316k/