HPCI戦略プログラム 分野4次世代ものづくり

  • ホーム
  • 戦略目標達成に向けた研究開発

乱流の直接計算に基づく
次世代流体設計システムの研究開発

研究課題責任者
加藤 千幸 東京大学生産技術研究所 革新的シミュレーション研究センター センター長・教授
研究協力者
小野 謙二 神戸大学大学院 システム情報学研究科 教授
 
坪倉  誠 北海道大学大学院工学研究院 准教授
 
黒瀬 良一 京都大学大学院工学研究科 准教授
 
郡  逸平 東京都市大学大学院工学研究科 教授
 
飯田 明由 豊橋技術科学大学大学院工学研究科 教授
 
中島 卓司 広島大学大学院工学研究院 助教

研究概要

【概要】

ターボ機械、自動車、燃焼・ガス化装置を主な対象として、乱流の直接シミュレーションに基づく次世代流体設計システムの研究開発を行います。産業界における実設計環境での利用を目的として、強力な産学官連携体制を確立し、開発したシステムの検証と実機による実証研究を行います。超大規模解析による飛躍的な予測精度の向上を実現し、実験では計測が困難な乱流非定常現象の物理メカニズムを解明することで、革新的ものづくりに寄与します。

【具体的な成果目標】

(1)HPC環境のためのプリ・ポスト処理を含む設計システムの構築
メッシュ自動細分化機能(リファイナー)に基づく階層的細分化格子作成手法を採用することで、数十億~百億点規模の自動格子生成を可能とします。即ち、設計者は既存のプリ・ポスト処理ソフトウェアを利用すれば、後は自動的に超大規模解析が実現できるよう設計システムのインターフェースを整えることができます。これらのシステムをスーパーコンピューター「京」本格稼働後5年以内に実用化します。

(2)複雑・複合乱流現象の高精度解析
物理モデルに極力依存しない流体解析を実現することで、自動車の3大空力連成問題(車両運動、熱害、車室内騒音)、ターボ機械の振動騒音およびキャビテーション、燃焼・ガス化装置の燃焼・ガス化特性および排ガス特性等の複雑・複合乱流現象の高精度予測を実現します。具体的には車両の定常空気力、ターボ機械の一般性能およびキャビテーション性能、燃焼・ガス化の燃焼・ガス化効率およびNOx、すす等の排ガス濃度について現状の風洞試験、ループ試験、簡易小型試験と同程度あるいはそれ以上の精度での予測を実現します。

(3)実験計測が困難な非定常現象の予測
突風下での車両運動挙動や、ターボポンプの流体起因振動・騒音、火炎の着火・失火等、実機実験では予測が困難な非定常現象の予測を可能にします。

ソフトウェア名:FrontFlow/blue,FrontFlow/red,FrontFlow/violet