ホーム

研究成果

研究テーマ

プロジェクトの概要

メンバーと人材育成


メンバーリスト

研究員インタビュー

研究人材の育成

研究員募集



スーパーコンピューティング技術産業応用協議会先端ソフトウェア産業応用部会



IIS

リンク

サイトマップ



所内向け案内
所内関係者のみ


東京大学生産技術研究所
計算科学技術連携研究センター
〒153-8505
東京都目黒区駒場4-6-1

研究員インタビューInterview




■姜さんは現在、当プロジェクトの統合プラットフォームグループにおいて、どのような研究に取り組んでおられるのでしょうか。

 私たち統合プラットフォームグループの紹介ページにも書いてありますように、私たちのグループでは、大規模で複雑なアプリケーションプログラム開発を支援するために、また数値解析のシミュレーション処理を支援するために、統合プラットフォームというものを作り上げようとしています。

 この統合プラットフォームのことを戦略的基盤ソフトウェア用PSEと呼んでいるんですが、これはもちろん、駅にあるプラットフォームなどではなく、コンピュータ用語としてのプラットフォームのことを指しているんです。そして、プラットフォームとは、ある技術計算の作業、つまり技術計算タスクがあったとき、このタスクを処理するために組み立てられた、ハードウェアとソフトウェアによる一式のコンピュータ環境のことを指しています。

 そして、私たちのグループでは、これらのプラットフォームを組み立てるに当たって、「タスクフロー」という考え方を採用しています。つまり、大規模な技術計算タスクを処理するためには、一連のタスクをある一定の手順に従って処理していくことが必要となりますが、 このタスクの定義と、一連のタスクの作業手順を記述したものがタスクフローということになります。

 この説明はちょっと抽象的過ぎて、わかりにくいかもしれませんね。では、ここでもっと大胆に言い切ってしまうことにしましょう(笑)。私たちのグループが作っているプラットフォームは、これまで他の研究者たちが作り上げてきた既存のさまざまなアプリケーションプログラムやデータベースをそれぞれ1つの構成部品とみなし、それらの部品をたった1つのシステム上にまとめ上げたものなんです。つまり、このプラットフォームは、あらゆる研究者が自分たちの研究成果をお互いに共用し合うシステムであり、あらゆる研究者たちが自分が好きなような形で自由に使える研究環境を提供するシステムなんです。 

■最後に、姜さんご自身がどのようなお気持ちで研究に取り組んでおられるのかお聞かせください。

 先にもお話しましたように、私は初中のときに試験で満点を取ったことで、物理の勉強が大好きになりました(笑)。その後、私は一貫して、伝熱といった熱の研究を続けてきており、博士号を取る際の研究論文のタイトルも「自然循環ループ内の熱対流と安定性」というものになっています。

 私は基礎的な研究が好きなんですね。でも、その一方で、科学的な理論を現実の世界で応用する応用技術というものにも強く心を惹かれています。だから、私が日本に来たのも、そうした日本の進んだ応用技術を学びたいと思ったからなんです。私は、日本の優れた技術を学んで、将来、中国の技術の発展を支えていくのにふさわしい研究者になりたいんです。

 しかし、日本ばかりを見ていても、世界の最先端の技術動向から取り残されてしまう。だから私は、嫌いであった英語も一生懸命に勉強しました。そして今や、私は妻や娘と一緒にいるときは中国語で考え、この生産技術研究所で他のスタッフたちと打ち合わせをするときは日本語で考え、論文を書くときは英語で考えているんですよ(笑)。

 そして現在、私はコンピュータ上で、これまでなかったようなプラットフォーム作りの仕事を進めています。この仕事はものすごく難しいもので、目標がちょっと高過ぎるのかなという思いもしています。また、私がこの仕事に参加したのも最近のことなので、達成感はまだそれほど大きくない。しかし、この頃、この仕事もおもしろくなってきたぞと実感し始めたところなんです。

 ところで、私は日本に来るとき、日本での滞在期間をとりあえず、6、7年間ほどにしようと考えていました。だから、これからの日本で過ごす長い歳月、私は与えられた環境の中で一生懸命に研究に取り組み、最良の成果を上げていきたいと思っています。その後どうするか? まだ、そこまでのことに気をまわす余裕はないですね。私は、今やっている仕事に、私がもっている力のすべてを注いでいこうと考えているんですよ。

<コラム>
 プラットフォームについてのミニ知識


マーク BACK







ページトップ


Copyright