 
「戦略的基盤ソフトウェアの開発」プロジェクトは、文部科学省ITプログラムの一環として2002年度から5ヵ年計画でスタートしたものであり、わが国の科学技術重点分野である、バイオ・ナノ分野やエネルギー・環境分野における、世界水準の実用ソフトウェアの開発を目的としております。タンパク質の構造や化学物質との相互作用などを分子軌道から計算したり、空気の流れや流れから発生する騒音や構造物の振動などを基礎方程式から直接予測したりする、計算科学シミュレーションは次世代の産業基盤技術としてその実用化に大きな期待が集まっています。
本プロジェクトは、東京大学生産技術研究所計算科学技術連携研究センターが開発拠点となり、東京大学大学院工学系研究科、国立医薬品食品衛生研究所、独立行政法人 物質・材料研究機構、財団法人 高度情報科学技術研究機構、アドバンスソフト株式会社などとの産学官連携により、(1)次世代量子化学計算、(2)タンパク質-化学物質相互作用解析、(3)ナノシミュレーション、(4)次世代流体解析、(5)次世代構造解析の5つの物理化学シミュレーションソフトウェアと、それらの大規模計算を将来のコンピュータ・ネットワーク環境で効率的に実行するための基盤情報技術として、(6)統合プラットフォーム、(7)HPC(High Performance Computing)ミドルウェアの実証開発を進めております。
本プロジェクトでは、開発を完了した最先端シミュレーションソフトウェアをインターネット上に順次一般公開しています。2004年7月現在、38本(バージョンアップ版を含む)が公開されています。今後も年間10本程度の新規ソフトウェアの開発・公開を行うとともに、開発したソフトウェアを実際の製品設計・開発に広く適用し、その実証を進めていく予定ですので、皆様方のご支援・ご協力を宜しくお願い申し上げます。
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