僕の父は原子力研究所を退職した後、大学教授になって後進の指導を行なっていました。そうした父から見ると、僕が研究畑ではなく、応用畑に進んだことがちょっと不満に思えるかもしれません。でも、僕が現在 やっている仕事は僕にとても向いているし、大きなやりがいも感じているんですよ。だって、毎日のように新しい発見があって、そうした発見を追い求めるなかで結果を出すまでのプロセスが楽しくってたまらない。論文を書く時間がもったいないと感じるときもあるんですよ(笑)。
僕たちのグループが今作っているシミュレーション・プログラムは、プロトタイプ版という形で今年(2003年)の年末ぐらいまでには全世界に向けて発表できると思います。
このプログラムは、半導体開発に携わっていらっしゃる第一線の研究者や技術者の方々にどんどん使ってもらいたいものです。コンピュータのOSであるLinuxの例を挙げるまでもなく、これからはオープンソースを理想とすべきです。そうすれば、多くの研究者や技術者がそれぞれの知恵を持ち寄ってさらに研究を積み重ねていくことができ、このプログラムの性能や使い勝手もそうした人たちの支援を受けて、さらに向上していくことになるでしょう。
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