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研究員インタビュー
Interview




■別役さんは現在、当プロジェクトのナノシミュレーショングループにおいて、どのような研究に取り組んでおられるのでしょうか。

 現在、僕たちのグループは、次世代半導体であるナノデバイスを実現するための研究開発支援シミュレーション・プログラム作りに取り組んでいます。

 ナノというのは大きさの単位で、ミリ、マイクロ、ナノという順番で続きます。そして、1メートルという数字を基準としたとき、ミリがマイナス3乗、マイクロがマイナス6乗、ナノがマイナス9乗ということになります。だから、1ナノメートルは10億分の1メートルということになりますね。ちなみに、1ナノメートルは、インフルエンザウイルスより小さく、人間のDNAの幅とほぼ同じという大きさです。また、原子1つ分の大きさは0.1ナノオングストロームぐらいであると言われています。

 また、デバイスはコンピュータの各種部品を指す言葉で、僕たちのグループの場合は、CPUやROMなどの半導体を表わす言葉として使っています。そして現在のところ、社会に出回っている半導体の多くはマイクロスケールというレベルで設計・加工がされており、今後、CPUの演算速度を上げたり、ROMの記憶容量を高めたりしていくためには、どうしてもナノスケールという微細レベルで設計・加工を行なっていく必要が生まれてきています。

 しかし、このナノスケールという微細レベルで設計・加工を行なっていくということは、人間にとってまったく未知の領域なんです。たとえば、半導体はシリコンウェハーという土台の上に性質の異なるいくつかの物質の薄い膜を貼り合わせて作っていきますが、これをナノスケールという微細レベルで貼り合わせようとすると、そのお互いの物質の境界面において変化が生じてきてしまう。つまり、異なるいくつかの物質が原子レベルでお互いに影響し、干渉し合って、それぞれの物質が示す特性に変化が生じてきてしまうんです。

 したがって、僕たちのグループでは、別のページでも説明しているように、ナノスケールに微細化された物質の表面・界面構造に おける電気伝導特性などの謎を解くための研究開発支援シミュレーション・プログラムを作ろうとしているわけです。

■最後に、別役さんご自身がどのようなお気持ちで研究に取り組んでおられるのかお聞かせください。

 僕の父は原子力研究所を退職した後、大学教授になって後進の指導を行なっていました。そうした父から見ると、僕が研究畑ではなく、応用畑に進んだことがちょっと不満に思えるかもしれません。でも、僕が現在 やっている仕事は僕にとても向いているし、大きなやりがいも感じているんですよ。だって、毎日のように新しい発見があって、そうした発見を追い求めるなかで結果を出すまでのプロセスが楽しくってたまらない。論文を書く時間がもったいないと感じるときもあるんですよ(笑)。

 僕たちのグループが今作っているシミュレーション・プログラムは、プロトタイプ版という形で今年(2003年)の年末ぐらいまでには全世界に向けて発表できると思います。

 このプログラムは、半導体開発に携わっていらっしゃる第一線の研究者や技術者の方々にどんどん使ってもらいたいものです。コンピュータのOSであるLinuxの例を挙げるまでもなく、これからはオープンソースを理想とすべきです。そうすれば、多くの研究者や技術者がそれぞれの知恵を持ち寄ってさらに研究を積み重ねていくことができ、このプログラムの性能や使い勝手もそうした人たちの支援を受けて、さらに向上していくことになるでしょう。


<コラム>
 ナノシミュレーションについてのミニ知識


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