ホーム

研究成果

研究テーマ

プロジェクトの概要

メンバーと人材育成


メンバーリスト

研究員インタビュー

研究人材の育成

研究員募集



スーパーコンピューティング技術産業応用協議会先端ソフトウェア産業応用部会



IIS

リンク

サイトマップ



所内向け案内
所内関係者のみ


東京大学生産技術研究所
計算科学技術連携研究センター
〒153-8505
東京都目黒区駒場4-6-1

研究員インタビュー
Interview




■現在、牟田さんは次世代量子化学計算グループに所属しておられますが、それまでの歩みと、ここでの仕事の内容をお聞かせください。

 大学卒業後、私は同じ大学の理工学研究科物質化学専攻(大学院)に進んで、引き続き佐藤研究室で高分子化学を学び、そこで博士号を取得しました。その後就職しましたが、しばらく仕事を続けているうちに、量子化学計算のソフトウェアを研究開発する仕事に従事したいと考えるようになり、ご縁があって、昨年の9月より当研究所に入所し、現在のように次世代量子化学計算グループ所属の研究員としてProteinDFの研究開発をさせていただくようになりました。

  ProteinDFは、生体高分子であるタンパク質の全電子を計算するために開発されたソフトウェア・システムであり、精密、かつ実用レベルでの量子化学計算のシミュレーションを可能とするものです。このProteinDFは、元々は九州工業大学で、柏木浩先生と佐藤文俊先生の指導のもとに研究開発が続けられてきたものであり、現在の次世代量子化学計算グループには、グループリーダーの佐藤文俊先生を始めとして、そこの出身の方々が多数参加されておられます。

■牟田さんは現在、次世代量子化学計算グループにおいて、どのような研究開発に取り組んでおられるのでしょうか。

 次世代量子化学計算グループ全体では大きく分けて5つの研究開発課題に取り組んでおりますが、私自身はプロテイン・エディタと呼ばれるグラフィカル・ユーザ・インターフェース部分の開発に取り組んでおります。

 このプロテイン・エディタは、タンパク質の全電子計算を支援し、複雑で膨大な計算入力や計算結果をわかりやすく表示することを目的としたものです。そして、私としては、量子化学に馴染みの薄い研究者でも扱えるような、使い勝手を重視したものを考えており、近い将来、これにタンパク質の反応解析に役立つツールを組み込んでいくことを考えています。

 具体的には、ちょっと、この図を見てください。

タンパク質分子の軌道の形

 これはタンパク質分子の軌道の形を、コンピュータ・グラフィックスによって描いたものですが、私たちは現実の世界で、この図に表されているような分子軌道を直接見ることはできません。これは私たちが研究開発を続けているProteinDFによる計算結果を使って初めて具象化することができるものなのです。タンパク質の分子軌道が得られることで、これまでとは違った見方からタンパク質の機能を見ることができ、今までにはなかった新しい概念が出てくる可能性を秘めています。

 ただ、私はこれまで、研究や会社の業務で、他で開発されたこの種のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを十数種類も見てきたのですが、その多くが専門家以外の者にとっては非常に使いづらいものとなっています。そこで私は、他分野の研究者であっても簡単に使えるような優れたユーザ・インターフェースを備えたプロテイン・エディタの開発をめざして、今後の研究を続けていきたいと考えています。

 日本で生まれた純国産のProteinDFが、世界最高の技術レベルに達し、世界中の人々に愛用されることを願っています。

<参考文献>
 次世代量子化学計算グループの研究概略

<コラム>
 量子化学、および量子化学計算についてのミニ知識


マーク BACK







ページトップ


Copyright