• センター長挨拶

    加藤千幸センター長・教授 革新的シミュレーション研究センター(Center for Research on Innovative Simulation Software、略称CISS)は、2008年1月に東京大学生産技術研究所附属研究施設として設置され、2013年4月の改組を経て、1) 世界をリードする先端的シミュレーションソフトウェアの研究開発、2) 研究開発成果の社会への普及、3) シミュレーションソフトウェアを開発・利活用できる人材育成のための研究・教育基盤の強化を目的に活動を行ってきました。

     これまで、文部科学省次世代IT基盤構築のための研究開発「イノベーション基盤シミュレーションソフトウェアの研究開発」(2008年10月から2013年3月)をはじめに、文部科学省「HPCI戦略プログラム」分野4 次世代ものづくりプロジェクト(2011年度から2015年度)など、CISSが発足した2008年から、多くの国のプロジェクトを推進してきました。これらのプロジェクトにおいて、HPC(High Performance Computing)環境で効率的に稼働する基盤的なシミュレーションソフトウェアを研究開発してきました。また、「HPCI戦略プログラム」では強力な産学官連携体制を構築し、風洞試験や水槽試験などにとって代わり得る精度を有するシミュレーションを実現したり、自動車の実走行状態を模擬できるシミュレーションを実現したりし、「京」を用いてこれらのシミュレーションソフトウェアの実証研究を進めてきました。このように「京」を用いて先端的な成果を上げることができました。

     CISSは上記の活動を引き続き、さらに、発展させるべく、2018年4月から3期目の活動に入っています。具体的には、文部科学省『ポスト「京」で重点的に取り組むべき社会的・科学的課題に関するアプリケーション開発・研究開発』プロジェクトの一つである「重点課題⑧近未来型ものづくりを先導する革新的設計・製造プロセスの開発」の代表機関として、2014年度から2019年度までの間、先端的シミュレーションソフトウェアの研究開発を推進してきました。2020年度からは、3年間の予定で、文部科学省「『富岳』成果創出加速プログラム」の代表実施機関として、重点課題⑧で研究開発したアプリケーションを用いて、「富岳」を利用した大規模な実証研究を推進しています。これと並行して、データ同化手法や設計最適化手法などのデータ科学的なアプローチとHPCを利用したシミュレーションとを融合した研究分野において大きな成果の創出が期待されていることを踏まえて、データ科学的手法も駆使した、革新的なシミュレーション方法論の研究開発を行っています。CISSでは、我が国の産業競争力の強化に貢献すべく、これらに向けた取り組みも強力に牽引していく所存です。

     引き続き、CISSの活動に対し、皆様方のご理解とご支援を頂ければ誠に幸いです。


    令和2年6月

    センター長 加藤千幸

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