次世代半導体集積素子におけるカーボン系ナノ構造
プロセスシミュレーションに関する研究開発
- 研究課題責任者
- 大野 隆央 独立行政法人物質・材料研究機構 理論計算科学
ユニット ユニット長 - 研究協力者
- 善甫 康成 法政大学大学院情報科学研究科 教授
- 星 健夫 鳥取大学大学院工学研究科 准教授
- 伊藤 聡 独立行政法人理化学研究所 計算科学研究機構
コーディネータ - 金田千穂子 株式会社富士通研究所
- 影島 博之 日本電信電話株式会社 物性科学基礎研究所
主任研究員
研究概要
【概要】
微細化の進む半導体デバイスにおいては、従来の延長線上にない新規な材料・プロセスを用いたデバイス開発が必須である。本研究開発課題では、ナノスケール世代の半導体デバイスにおいて要求されるチャネル材料、配線材料等への適用が期待される、カーボン系材料を代表とした非シリコン系材料のナノ構造プロセスの共通要素的な部分に関する知見基盤を構築し、"次世代ものづくり"における研究開発の高度化、高速化に貢献することをめざす。
【具体的な成果目標】
(1)次世代材料の最適化プロセス設計技術の構築
第一原理電子構造解析ソフトウェアPHASEシステムを基礎に、半導体デバイスの配線、チャネル等に適切なナノ構造材料を、カーボン系材料を代表とした非シリコン系材料を対象に、電子構造から選択・設計する。プリポスト処理機能を新たに付加機能として開発し、基板や電極とオーミック接合可能な配線やチャネル材料の選択とその成長プロセスを解析し、ナノ構造の最適化設計の指針を獲得する。
(2)ナノ構造デバイスの素子特性ポテンシャルの総合的評価
ナノ構造材料の電流電圧特性等を理論的に明らかにし、不純物や格子不整合性が与える影響を定量的に算出する。さらに、ナノ構造材料を配線やチャネル材料として用いる場合に問題となる、ナノ構造材料と基板や電極との接合様式、あるいは電子状態としての接合状態等を含めた電気伝導解析を行い、現実の配線、チャネルの形状設計ツールにつながるポテンシャルを総合的に評価する。
(3)ナノ構造材料に関する知的基盤の構築と産業界が使える形での提供
第一原理電子構造解析ツール等の原子・電子構造解析ツールから、モデリング、可視化までのツール群、さらに本研究課題で得られる利用ノウハウまでを合わせた、産業界で使えるシミュレーション環境を提供する。
ソフトウェア名:PHASE