シミュレーション技術の高度化と分野の細分化に伴って、複雑な現象を正確に予測することが求められています。その実現のためには力学モデルの高度化や力学問題の解法に関する方法論に関して新たな展開が必要です。特に近年注目を集めている機械学習技術の活用は、力学シミュレーションにも大きな変革をもたらしつつあります。
そこで、流体力学、土木・建築工学、材料強度、マテリアル等の各分野で取り組まれている力学問題のモデリングおよびシミュレーションを俯瞰し、機械学習をキーワードにこれからの力学シミュレーションの在り方を議論することを目的として、ワークショップシリーズを企画しました。
2023年度第3回ワークショップは、流体力学に焦点を当て、下記の通り開催します。奮ってご参加くださいますようお願い申し上げます。
東京大学生産技術研究所
革新的シミュレーション研究センター
教授 長谷川 洋介
場所 | 生産技術研究所 中セミナー室1(An401・402)、および、 WebEX Webinarsによるハイブリッド形式 |
住所 | (オンサイト)東京都目黒区駒場4-6-1 (オンライン)e-mailにて後報 |
電話 | 03-5452-6661 |
100名
無料
2023年12月21日
15:00-15:45 | 「流体力学はどこに向かうのか」 長谷川 洋介 教授(東京大学生産技術研究所) アブストラクト: 理論、実験、シミュレーションに加えて、近年、データ科学の熱流体工学への応用が加速し、学術研究において欠くことのできないツールとなりつつある。また今後は、産業界における研究開発、製品開発においても、データ科学が積極的に活用されることが期待される。しかし、ひとえに「データ科学」と言っても、その使われ方、応用のされ方は様々であり、今後、同分野の今後の方向性や課題について、研究者間、開発者間において共通認識が得られているとは言いがたい。本発表では、最近のデータ科学の流体研究への応用事例を紹介しつつ、講演者自身の私見を交え、参加者と今後の同分野の方向性について議論したい。 |
15:45-16:30 | 「データ駆動型乱流研究のこれから ー力学・安定性の観点からー」 犬伏 正信 准教授(東京理科大学) アブストラクト: 乱流の予測やモデル化、最適化のために近年データ科学・機械学習が活発に応用されており、今後ますます発展していくと考えられる。本講演では、機械学習による低レイノルズ壁乱流の驚くべきモデル化性能[1,2]や、力学的な特性に基づく発達した乱流のモデル化可能性[3,4]を中心に研究紹介を行い、最新のデータ駆動型乱流研究を概観する。これらをもとに今後のデータ駆動型乱流研究について、特に力学や安定性の観点から私見を述べ、その可能性について議論したい。 [1] Linot and Graham, Dynamics of a data-driven low-dimensional model of turbulent minimal Couette flow, J. Fluid Mech. 973, A42 (2023). [2] Pershin, Beaume, Li, and Tobias, Training a neural network to predict dynamics it has never seen, Phys. Rev. E 107, 014304 (2023). [3] Inubushi, Saiki, Kobayashi, and Goto, Characterizing small-scale dynamics of Navier-Stokes turbulence with transverse Lyapunov exponents: A data assimilation approach, Phys. Rev. Lett. (in press). [4] Matsumoto, Inubushi, and Goto, Feasibility of Turbulence Model by Machine Learning (in preparation). |
16:30-17:00 | 総合討論 |
東京大学生産技術研究所 革新的シミュレーション研究センター
住所 | 東京都目黒区駒場4-6-1 |
TEL | 03-5452-6661 |
FAX | 03-5452-6662 |
office@ciss.iis.u-tokyo.ac.jp | |
URL | http://www.ciss.iis.u-tokyo.ac.jp/ |
東京大学生産技術研究所 革新的シミュレーション研究センター