吉川暢宏 教授
- 所属:
- 東京大学生産技術研究所
- 専門分野:
- マルチスケール固体力学
実験的アプローチのみではメカニズムの解明が困難であった非均質材料の強度評価と局所的変形特性評価に関して、シミュレーションを援用した新たな方法論を提示し、実証的課題を通じた検証を行っている。
自動車や航空機の軽量化に益する炭素繊維強化複合材料を中核に、モデルの解像度を1段階上げることでメカニズムの素過程が明らかになり、現象の本質に迫ることが可能となるいわゆるメゾスケールシミュレーションの有効性を示している。
燃料電池自動車の基幹部品となっている炭素繊維強化プラスチック製の高圧水素容器の例では、フィラメントワインディングの経路や樹脂の硬化特性、さらには製造時に発生する欠陥が強度発現機構に与える影響を直接的に評価可能であることを実証している。